2017年03月24日

母のポリシー

母のポリシー

父は 無類の野球好きだ。審判の資格を取ろうと思ったほどだ。
スポーツ観戦が大好きで、野球以外でもテレビ番組は サッカー・ゴルフ・相撲と見ているのが好きらしい。
そのなかでも 野球は特に別物。年季が入っている。
わたしたちが幼いときから 野球の試合があると必ずといっていいほど 姿を表した。もちろん、息子が野球部に入っていなくても!である。
ただ子どもたちが その学校に所属しているというだけで、応援に来ていた。中学校のときは 本当によく通った。近所の知り合いの息子さんがピッチャーであったこともあり、そのお父さんとふたりで夕方練習に顔を見せていた。
高校野球の時期になると 市内で催される予選には足繁く通い、中央での県大会へは 何度か出かけている。

そんな父のことを 野球部員であった知り合い(わたしより二歳下)とミントンで話すことがあった。
わたしに「旧姓はなんというんでしたっけ?」
「○○ですよ」
「あっもしかして お父さん 野球好きでしょ?」
「えっなんで知ってるんですか?」
「いや 僕たちの練習にも試合にも よく来てくれたから、知ってますよ。いつも応援してくれて嬉しかったなぁ」
そうなんだ・・・ちゃんと部員の方には 父の思いが通じていたんだ・・・
なんだかすごく嬉しかった。

実家に行ったときに そのときの話を知らせたら、父も母もその方を覚えていた。
「そうかそうか、今はそんなに大きな会社(世界的に有名な)の社長さんになっていたんだ。いい球投げる子だったよなぁ」と。
部員と全然関係ない父が足しげく通うことは決して気持ち悪いわけではなく、逆に選手の励みになっていたんだと思うと、父の存在が こういうところで認められていたんだなという気持ちになる。
父もいいところあるな。

そんな無類の野球好きの父が、病でやせ細り、今は30数キロだが、夏が過ぎ、食欲も少しずつ回復し、運転もできるようになった。
突然、野球を見に行くぞっといい始めたのは ここ1週間のこと。
市内で 秋の県大会が開催されるのだ。実に 父に言わせると 十数年ぶりのことらしい。
父に何かあれば心配だからということで 母も付いていくという。
二人分のお弁当を作り、寒いと困るから上着やら足掛けやら準備万端整えて。
22日・24日と二つの会場に出かけていった。

昨日ちょうど実家に煮物と冷蔵庫で作った干物を持っていったら、帰宅していた。
「どうだった?」
「負けたけど、いい試合だったよ。父さんは疲れているから眠らせたところ」
試合の話を聞く。
あんなに夢中な父のことだから、さぞかし応援も熱がこもっているかと思いきや。
案外 冷静なものだという。
逆に付き添っていった母のほうが「それ!そこだ!よーしよしよし。いいぞっ」と大声を出していたそうな。
わかるな、それ。母が言いそうだもの。

「応援は褒めることばだけを言う。決してけなすことは言わない。会場には必ず選手の父兄がいるものと思うこと。」
だそうだ。いいシーンでは声を張り上げて言うことが 野球を楽しむコツでストレス発散にもなるらしい。

だが、やはり午前午後と見ているのはふたりにはとても疲れる。
ちょうど応援した学校もいいところで負けたことだし、応援はこれで満足したことだろう。あとは しばらく休憩してくださいね。








Posted by xiaoxia at 12:56
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